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ステンレスTips

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ステンレス材料の材質の種類

ステンレス材料の材質の種類

 ステンレスは一般に光沢のあるものとイメージ されがちですが、それはステンレス製品が最終仕上げで 電解研磨され、光沢のある状態で出荷されるからです。
材料の段階でのステンレスは、鉄よりは光沢があり 白っぽいですが、ピカピカというには程遠いです。
また、材料の段階であっても、その用途によって 様々な種類の材料が用意されています。

 次はその「材料として加工屋に入ってくる段階」の ステンレスの材料の種類をご紹介します。

NO.1
HOT
酸洗
白皮
 表面は白っぽくくすんでおり、少しザラついた感じです。
 熱をかけてロールで延ばす(熱間圧延)工程の後、熱で表面につく黒い皮膜や汚れを酸で取り除いたもの。
 製造工程順で、1番初めのものなので、NO.1と呼ぶようです。
 熱間製造材料なのでHOT材とも、酸で洗っているので酸洗材、黒皮に対して白皮とも言いいます。
 ステンレスは鉄のように黒皮のままのものがほとんどないので、HOT材といえば酸洗までしたものが多いです。
 フラットバー、パイプ、アングル、線材などは、HOT材・酸洗材と言うことが多いです。
 表面が粗いため、電解研磨はできません。
2D  表面は銀白色の鈍い光沢。No.1を冷間(常温)圧延後、その加工硬化を戻すために焼鈍し、 焼鈍による黒皮を除去するために酸洗を行っただけのもの。
 2Bとともに2番目の工程になるので、2D(ダル=鈍い)と呼ばれます。
 比較的柔らかいため、深絞り性を要求される場合に用いられるが、一般にはほとんど流通していません。
あまり流通していないからか、これをCOLD材ということはあまりありません。
 電解研磨ができます。
2B
COLD
 やや光沢のある表面で、材質本来の色がわかります。
 No1に2Dと同様の処理をした後に、適度な光沢を得られるようにスキンパス(調質圧延)を施し、 表面を押しつぶしたものです。
2Dとともに2番目の工程でできるので、正式にはNo.2B(ブライト=光沢)と言いますが、2Bの方がよく聞きます。
 ステンレスの板材では最も一般的な冷間材なので、単にステンレスの板を 注文すると、2Bの板が届くことが一般的です。
 耐食性も安定していますが、スキンパスによる加工硬化の分、2Dよりは硬いです。
 COLD材の基本となる材料。
 加工されている分、HOT材より硬いです。
 電解研磨ができます。
BA  表面はきれいな光沢があり、#400研磨と同等(かそれ以上?)。
 No1を冷間圧延後、光輝焼鈍し、さらにスキンパスを行ったものです。
 No1⇒冷間圧延⇒焼鈍⇒スキンパスという工程は2Bと同じだが、 2 B(2D)の焼鈍では黒皮がつくため、スキンパスの前にそれを除去する酸洗が必要となる。
 酸洗を行うと、冷間圧延で得たつるつるな光沢肌を傷めてしまうので、 黒皮を伴わない光輝焼鈍をし、冷間圧延で得たつるつるな光沢肌のままスキンパスを 行うことで、2B以上の光沢を得ることができる。
 意匠性を求められる部材に用いられることが多い。2B仕上げに次いで一般的。
No.4  2BまたはBAの素材に、F180前後の研磨加工をした仕上げ。
 研磨材としてはもっとも一般的なもので、厨房や建材用などに幅広く用いられる。
HL  一方方向に無数の細かなスジが入ったつや消し的な表面。
 200番~250番程度の研磨材を使って研磨したもの。
 独特の落ち着いた感じと、加工キズや使用中のキズが目立ちにくく補修研磨がしやすいという利点から、 手摺・柵・屋外建材金物(エクステリア)などによく使われている。
 板だけでなく、パイプ・フラットバー・アングル・線材など、多くの既製材料がある。
#400  光沢仕上の代表的なもの。
 ピカピカなイメージ。
 2B素地を#400バフで研磨したもの。
※要注意!
上記説明にある通り、これらの表面記号は原則板材に対してのものになります。
それは、製鉄所で製造される最初の加工材料が板材であり、それを再加工して アングル・パイプ・線材等を製造するためです。
なので、板材以外では、上記のような表現はしません。(再加工によって表面状態が上記のものと変わるため)
表現としては、どの状態の板材からできたかを示すHOT(又は酸洗)かCold、 再加工後、どの研磨まで行ったかの研磨仕上記号となります。
鉄の場合の、黒皮・酸洗(SPH)とミガキ(SPC)みたいなもの。
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